はじめまして

はじめまして、「国際移動研究会」です。私たちのプロフィールについては、こちらをご覧ください。

私たちはグローバル化が日本社会にもたらす帰結を探るため、住民の半数超が中国人といわれる埼玉県川口市の川口芝園団地に2019年2月から住み込んで、住民の方や周辺住民の方にお話をお聞きするプロジェクトを行います。

このプロジェクトは京都大学から助成を受けており、また私たちの卒業論文の執筆も兼ねています。


第一回目の記事では、活動の背後にあるモチベーションを、代表の今岡哲哉に語ってもらいます。

---そもそもなぜこの活動を思い立ったのですか?

今岡 ここ数年の外国人労働者受け入れの問題の顕在化や、個人的に携わっている外国人子弟の教育支援ボランティアの経験から、今後多民族化していく日本社会において、偏見や差別、民族間の教育格差・経済格差など様々な社会問題が生じる可能性を常々感じています。言うまでもなくこのような社会問題は防がれるべきです。

しかし、「顔の見えない定住化」「静かな分断」と言った言葉が示すように、ホスト社会の日本人の側からすれば、そうした移民がどこで何をして暮らしているのかは、正直なところよくわからないというのが実態ではないでしょうか。

将来起こりうる社会問題を防ぐためには、まずは移民の方々がどこでどのような生活をしているのか、肌で感じることが第一だと思い、ニューカマー中国人の多い川口芝園団地で住み込むことを思いつきました。


---現地では具体的に何をしようと考えていますか?

今岡 まずは複数の民族が暮らす団地の生活空間において何が問題となっているのか、民族間の交流はあるのかなどを調べようと思っています。

今後は住んでいく中で知り合った住民の方にお話を聞きたいと考えています。中でも興味があるのは、中国人住民の方の団地での滞在年数と、団地を出たあとも日本にとどまるのか、帰国するのか、それとも別の場所へ行くのかということです。日本人の側からすれば「中国人」と一括りにしてしまいそうですが、実際には団地住民の方の移り変わりは激しいかもしれません。団地を定点観測地とすることで、国際移動の実態を明らかにできればと思っています。


(文責:佐藤慧)

国際移動研究会

京都大学の学生団体、国際移動研究会です。多文化共生元年となるであろう2019年に若者らしい発想で地域活性に貢献します。